海辺の夏 54.5×72.5cm 宮迫千鶴 作
画面は大胆な幾何学的な形と鮮やかな色彩で構成されており、夏の海辺の情景を抽象的に表現しています。
強烈な赤色、青色、黄色、緑色が使われ、それぞれの色が独自の空間を持ちながらも、全体として調和を成しています。
赤や黄色のエリアは、夏の暑さや情熱を思わせます。一方、青や緑色の部分は、海や涼しげな植物や木々を表しているかのようです。
この作品は、夏の海辺の元気で活動的な雰囲気を巧みに捉えており、単純化された形と色による強いビジュアルは、鑑賞者の視線を釘付けにすることでしょう。
1947年 広島県呉市に生まれる
カトリックの女子校で中等・高等教育を受ける
1970年 広島県立女子大学文学部卒業
上京して出版社やファッション誌の会社などで働きながら、独学で絵画制作を開始する
(山下清の貼り絵に出会ったことで、大学時代に受けたアカデミックな制作指導のトラウマから解放され、既成概念に囚われぬ独自の表現を育む)
1975年 荻窪のシミズ画廊にて初個展
1978年 初の美術エッセイ集『海・オブジェ・反機能』(深夜叢書社)を刊行
1980年代~ 美術や写真評論の他、当時盛んであった女性論、家族論など著作多数
1988年 伊豆高原に転居
1992年 「世界でもっとも美しい本展」にて、画文集『緑の午後』(東京書籍、1991年)が銀賞受賞
1996年 婦人之友の表紙絵を担当
2005年 「海・山・のんびりアート 田島征三・谷川晃一・宮迫 千鶴三人展」( 練馬区立美術館)
「夏のアートフェスティバル2005 森のアトリエ 谷川晃 一&宮迫千鶴展」(国際芸術センター青森)
2012年 宮迫千鶴展「ワクワク描いた人生の午後」(池田20世紀美術館)
2016年 「陽光礼讃 谷川晃一・宮迫千鶴展」(神奈川県立近代美術館 葉山館)
2008年 腹部リンパ腫のため死去