十七の桜桃 4号変形(33×26㎝) 畠中光享 作

¥450,000

淡い黒色の背景に、17粒の桜桃が思い思いに転がっています。背景の暗さが、桜桃の明るさを一段と際立たせます。所々変色していたり、少しくすんだ桜桃もあり、その異なる色合いが暗闇の中で静かに輝いています。

桜桃は若さと生命力を象徴する一方で、観る者に新たな始まりと成熟の美しさを思い起こさせます。それぞれの桜桃は自由に転がり、それぞれの方向に進んでいるように見えます。この配置は、個々の人生の多様性、選択、そして可能性を象徴し、若さから成熟への成長の過程を反映しています。

全体として、この絵は新たな始まりへの希望を称え、暗闇の中での光明を示唆しています。17という素数の神秘性も相まって、どこか不思議な魅力を放つ作品です。

 

インドから日本に至る仏教美術の伝来に造詣が深く、インドの民俗や仏伝など仏教を題材にした作品が多い。宗教家としてまた画家として、インドを中心とした歴史的な作品の研究を通じてテーマを見出し、絵画制作をもって絵の本質と生き方を考えることを信条とする。


1947:奈良県に生まれる/1977:第21回シェル美術賞/1978:第1回東京セントラル美術館日本画大賞/1987:第5回京都府文化新人賞/2002:日経日本画大賞/2004:第22回京都府文化賞功労賞/2014:京都美術文化賞/2015:京都市文化功労賞など、受賞歴多数
●元京都造形芸術大学教授