サンタンダル通り 6F(41×31.8㎝) 浜 征彦 作

¥165,000

画面の中央には通りが伸びており、その両側には建物が密集しています。建物のファサードには窓が多数配され、細部まで緻密に描かれていることが窺えます。一階部分にはいくつかの店舗があり、歩行者の姿も見受けられます。通りに沿って設置されたパラソルの下では、市場の露店が立ち並び、さまざまな商品が並べられている様子が描かれています。

色彩は全体的に抑えられたトーンで、柔らかな光と影が建物や通りに温かみを与えています。画家は筆触を巧みに用いて賑わいとともに、古い町並みの風格を感じさせる雰囲気を醸し出しています。

この作品からは、その場所の日常的な活気と、歴史を感じさせる建築の美しさが伝わってきます。観る者はこの通りを歩いているかのような錯覚に陥り、そこに生活する人々の息遣いを感じ取ることができるでしょう。


1938年 長野県諏訪市に生まれる

1958年 上京して東京YMCAの夜学部で学ぶ

1960年 二科展に初出品

1965年 「伊邪邦岐(イザナギ)・伊邪邦美(イザナミ)」が二科展で初入選(以後、毎年入選)

1968年 初渡仏

1970年  「パリの新聞売り」で二科展50周年記念賞受賞

1971年  「教会の結婚式」で二科展特選受賞

銀座薔薇画廊にスカウトされ、薔薇画廊専属となる

1972年  「歩行者天国」で二科展パリ賞受賞し、副賞として5年間のパリ留学の権利を与えられる

1974年 薔薇画廊「浜征彦・パリの詩と心」展 開催

1975年 薔薇画廊「浜征彦・パリからの便り」展 開催

1976年 留学中、フランス・サロン・ドートンヌ賞受賞 

1977年  帰国

 (以後、数十回に及び渡仏)

1978年 二科会会友に推挙(以後二科展に無審査出品、銀座薔薇画廊や新宿伊勢丹デパートにて個展を継続的に開催)

1979年 薔薇画廊「浜征彦展・ベニスの詩」展 開催

1983年 薔薇画廊「浜征彦・新作展」開催

1986年 フランス・ル・サロン展〈フランス芸術家協会〉(旧サロン・ド・パリ)入選週刊ポスト誌に「将来の日本画壇を担う5人の若き画家」に掲載される

1988年 一枚の繪 第17回現代洋画精鋭選抜展に出品「銀座カンチュラタン(カルチェ・ラタン)」で銀賞受賞

1990年 二科展二科会会友賞受賞

二科会長野県支部長就任

諏訪まるみつ百貨店、みやこ美術を始め、各地で個展を開催

2018年 諏訪市で死去 享年80


2019年 1月、茅野駅内ベルビア内みやこ美術で追悼展開催