ユトリロの階段 8F(45.5×38㎝) 浜 征彦 作

¥220,000

この油彩画は、都市の風景をユニークな視点で捉えた作品です。

ユトリロは20世紀初頭のフランスの画家で、パリの街角や建物を特徴的なスタイルで描いたことで知られています。作者は、この絵画においてユトリロの影響を敬意を持って再解釈しているようです。

作品は、複雑な構造を持つ階段と、それに隣接する建物群を描いています。階段は絵画の中央に位置し、周囲の建物と緑がその歴史的な存在感を強調しています。絵のトーンは全体的に抑えられた色彩で構成されており、穏やかな春の日の情景を思わせます。

油彩による筆遣いは繊細で、建物の窓一つ一つにまで注意が払われていることが伺えます。同時に、画家のブラシワークは建物の壁のテクスチャーと街の雰囲気を鮮やかに捉えており、観る者に時間と場所の感覚を伝えます。

作者はこの作品によって、都市景観の魅力と静謐さを表現し、観る者に対して視覚的な詩を提供しています。この作品を通じて、パリの街角の一片の美しさを感じることができるでしょう。


1938年 長野県諏訪市に生まれる

1958年 上京して東京YMCAの夜学部で学ぶ

1960年 二科展に初出品

1965年 「伊邪邦岐(イザナギ)・伊邪邦美(イザナミ)」が二科展で初入選(以後、毎年入選)

1968年 初渡仏

1970年  「パリの新聞売り」で二科展50周年記念賞受賞

1971年  「教会の結婚式」で二科展特選受賞

銀座薔薇画廊にスカウトされ、薔薇画廊専属となる

1972年  「歩行者天国」で二科展パリ賞受賞し、副賞として5年間のパリ留学の権利を与えられる

1974年 薔薇画廊「浜征彦・パリの詩と心」展 開催

1975年 薔薇画廊「浜征彦・パリからの便り」展 開催

1976年 留学中、フランス・サロン・ドートンヌ賞受賞 

1977年  帰国

 (以後、数十回に及び渡仏)

1978年 二科会会友に推挙(以後二科展に無審査出品、銀座薔薇画廊や新宿伊勢丹デパートにて個展を継続的に開催)

1979年 薔薇画廊「浜征彦展・ベニスの詩」展 開催

1983年 薔薇画廊「浜征彦・新作展」開催

1986年 フランス・ル・サロン展〈フランス芸術家協会〉(旧サロン・ド・パリ)入選週刊ポスト誌に「将来の日本画壇を担う5人の若き画家」に掲載される

1988年 一枚の繪 第17回現代洋画精鋭選抜展に出品「銀座カンチュラタン(カルチェ・ラタン)」で銀賞受賞

1990年 二科展二科会会友賞受賞

二科会長野県支部長就任

諏訪まるみつ百貨店、みやこ美術を始め、各地で個展を開催

2018年 諏訪市で死去 享年80


2019年 1月、茅野駅内ベルビア内みやこ美術で追悼展開催