手の上のカマキリ 6F(40.9×31.8㎝) 妹尾正彦 作
¥88,000
強烈な色彩と表現力で一つの瞬間を捉えている作品です。
作品には、オレンジと赤の色合いで描かれた人物の顔から肩にかけての姿が画面いっぱいに表現されています。人物の表情は、内省的でありながらも何かを訴えかける力があり、太い筆のタッチによって力強い印象を受けます。
人物の手には緑色のカマキリの姿があり、その細長い形状と鋭い脚がリアルに表現されています。カマキリは、人物の存在と対比され、生き物と人間の微妙な関係を暗示しているかのようです。
背景は抑制された灰色のトーンで、これにより人物の顔とカマキリの姿が一層際立っています。
この作品は、生と死、自然と人間、強さと脆弱さといったテーマの探求を暗示しており、作者が得意とする心理的な複雑さと強烈な視覚的インパクトを持ち合わせています。
1901年 岡山県倉敷市に生まれる
神戸高商(現・神戸大経済学部)卒業、海上火災保険会社勤務の傍ら絵を独学する
1927年 1930年協会展に初出品して入選
1928年 二科会入選
1931年 第1回独立展出品し、O氏賞受賞
1934年 独立美術協会会員 里見勝蔵らと共にフォーヴィスムを唱い、明るく詩情ある作風を示した
1990年 死去 享年89才